サプリより食事から栄養を摂る方が良いと言われる理由
※このシリーズは専門医から教わったことをコラムにしてます
〜身体は「栄養素」だけではなく、「食べる」という一連の流れを利用している〜
「健康のためにサプリメントを飲んでいます。」
最近では、ビタミンやミネラル、たんぱく質、乳酸菌など、さまざまなサプリメントが販売され、多くの方が健康維持のために取り入れています。
一方で、
「栄養はできるだけ食事から摂った方が良い。」
という言葉を耳にすることも少なくありません。
では、なぜ食事から栄養を摂ることがすすめられるのでしょうか。
今回の医学対談で先生は、このようなお話をされていました。
「例えばDHAやEPAのような良質な油でも、サプリメントで摂るより青魚から摂った方が、30〜40%ほど吸収効率が高いとされています。」
先生は、その理由として大きく二つの考え方を紹介してくださいました。
食材には、まだ解明されていない成分が数多く存在する
先生は、現在の栄養学について次のように説明されていました。
「私たちが科学的に分かっている成分は、DHAやEPAなど一部です。しかし、食材にはまだ分かっていない成分がたくさんあります。」
サプリメントは、必要な栄養素を抽出して効率よく摂取できるように作られています。
一方で、魚や野菜などの自然の食材には、現在の研究ではまだ解明されていない成分も数多く含まれている可能性があります。
先生は、
「単一の成分だけを摂るよりも、食材として複合的に摂る方が吸収効率が高いと考えられています。」
と話されていました。
つまり、DHAだけ、EPAだけを摂るのではなく、青魚という一つの食材として食べることで、さまざまな成分を一緒に摂取できることが、身体にとって意味があるのではないかという考え方です。
身体は「食べる前」から準備を始めている
先生が特に印象的な例として紹介されていたのが、
「目隠しをして食べる人と、料理を見ながら食べる人では身体の反応が違う。」
というお話です。
さらに、
バランスの整った定食をそのまま食べる人と、
同じ内容をミキサーにかけて飲む人でも、
身体の反応には違いがあると説明されていました。
先生は、その理由について、
食べ物を見て、
脳が「これから食事が始まる」と認識し、
唾液が分泌され、
歯で噛み、
その刺激が食道や胃腸へ伝わり、
消化吸収の準備が始まるという、一連の流れがあるからではないかと話されていました。
つまり、私たちの身体は、栄養素だけを受け取っているのではなく、
「見る」「噛む」「飲み込む」という食事全体の流れを利用しているという考え方です。
人間は自然な食べ物を食べるようにできている
先生は、さらにこのような話もされていました。
「自然界の動物は、固形物を噛まずに摂取することはほとんどありません。」
人間にも歯があり、食べ物を噛み、唾液と混ぜながら消化していく仕組みがあります。
そのため、
栄養だけを取り出して摂るよりも、
自然な食材として食べる方が、身体の仕組みに合っているのではないかという考え方を紹介されていました。
一般的にも「食事を基本に考える」ことがすすめられている
ここからは、先生の発言ではなく、一般的な栄養学の考え方をご紹介します。
現在、多くの栄養学や公衆衛生の分野では、
健康づくりの基本は毎日の食事であり、サプリメントは不足を補う目的で活用するもの
という考え方が広く採用されています。
サプリメントは、食事だけでは不足しやすい栄養素を補う手段として役立つことがありますが、すべての栄養を置き換えるものではありません。
また、必要以上に多くの種類を自己判断で摂取することについては、慎重な姿勢が勧められています。
特に持病がある方や薬を服用している方は、医師や薬剤師などの専門家へ相談することも大切です。
「食べる」という行為そのものを大切にする
今回のお話で印象的だったのは、
身体は栄養素だけを利用しているわけではない
という先生の考え方でした。
食材そのものに含まれるさまざまな成分。
料理を見て感じること。
香りを楽しむこと。
よく噛んで味わうこと。
こうした一つひとつの積み重ねも、私たちの身体にとって大切な要素なのかもしれません。
忙しい毎日では、サプリメントが役立つ場面もあります。
しかし、時間に少し余裕がある日は、できるだけ食材そのものを味わいながら食事を楽しむ。
その積み重ねが、日々の健康づくりにつながるのではないでしょうか。
まとめ
今回の医学対談では、先生から
「サプリメントより食事が良いと言われる理由は、単に栄養素だけの問題ではない」
という興味深いお話を伺いました。
食材には、まだ解明されていない成分が数多く存在していること。
そして、人間の身体は、食べ物を見て、噛み、味わいながら消化吸収する仕組みを持っていること。
だからこそ、「何を摂るか」だけではなく、「どのように食べるか」という視点も大切なのかもしれません。
サプリメントを上手に活用しながらも、毎日の食事を健康づくりの基本として考えること。
それが、無理なく続けられる食習慣への第一歩と言えるでしょう。

