ストレスを減らすために大切なのは「ルーティン」
※このシリーズは専門医から教わったことをコラムにしてます
〜体調の小さな変化に気づくための5つのチェックポイント〜
「最近、なんとなく疲れている。」
「気づいたら無理をしていた。」
「体調を崩してから、初めて疲れていたことに気づいた。」
忙しい毎日を過ごしていると、自分の身体の変化は意外と分からないものです。
朝起きて、
仕事へ行き、
家事をして、
人と会い、
スマートフォンを見て、
気づいたら一日が終わっている。
多少疲れていても、
「これくらい普通」
と思ってそのまま走り続けてしまう方も少なくありません。
今回の医学対談で、道下先生に
「ストレスをためないために、普段心がけていることはありますか?」
と質問しました。
先生から返ってきた答えは、とてもシンプルでした。
「イレギュラーを減らすことです。」
そして、そのために重要なのが、
「ルーティンをつくること」
だと話されていました。
ストレスとは「イレギュラー」である
先生は、海外の経営者やアスリートからもストレスについて相談されることが多いそうです。
そこで伝えている考え方の一つが、
「ストレス=イレギュラー」
というものです。
予想していなかった仕事が入る。
予定が突然変わる。
知らない場所へ行く。
いつもと違う時間に食事をする。
睡眠時間が毎日違う。
こうした「いつもと違うこと」が増えるほど、私たちはその都度、新しい状況に対応しなければなりません。
先生は、
「イレギュラーへの対応が増えると、それだけ大変になります。」
と説明されていました。
だからこそ、すべてを毎日変えるのではなく、
生活の中に「変わらないもの」をつくっておく。
それがルーティンです。
先生が教えてくれた「いつも同じ道」の例え
先生は、ルーティンの重要性を「通勤する道」に例えて説明されていました。
例えば、毎日会社へ行くときに同じ道を歩いているとします。
毎日同じ道を歩いていれば、
「あ、ここに花が咲いた。」
「今日はここに水たまりがある。」
「いつもと何か違う。」
という小さな変化に気づきます。
ところが、毎日違う道を歩いていたらどうでしょう。
景色も違う。
曲がる場所も違う。
道路の状態も違う。
毎日が初めての状態なので、「何がいつもと違うのか」を判断しにくくなります。
先生は、
「同じところを通り続けるから、変化に気づけるんです。」
と話されていました。
そしてこれは、身体にも同じことが言えるというのです。
毎日違う生活では「今日の自分」が分かりにくい
寝る時間が毎日違う。
起きる時間も違う。
朝食を食べたり食べなかったりする。
昼食の時間もバラバラ。
運動する日もあれば、一日中座っている日もある。
毎日の条件が大きく違っていると、
「今日はなぜ疲れているのか」
「いつもより身体が重いのか」
「睡眠不足なのか」
「食事の影響なのか」
判断しにくくなります。
先生は、
「多くの人が、今日の自分の調子が良いのか悪いのか分からないまま生活している。」
という趣旨のお話をされていました。
そして、
「調子が悪いのに、朝からフルスロットルで生活している。」
とも。
これは忙しい女性にも当てはまるのではないでしょうか。
ルーティンは自分を縛るためのものではない
「毎日同じ生活をする」と聞くと、
窮屈に感じる方もいるかもしれません。
しかし先生のお話を聞いていると、ルーティンの目的は、
自分を管理することではなく、自分の変化に気づくこと
だと分かります。
いつもの状態があるから、
「今日は違う」
と分かる。
例えば、
いつもは朝すぐに動けるのに、今日は身体が重い。
いつも食べられる朝食が今日は入らない。
いつもの運動が今日はきつい。
いつもより集中できない。
こうした小さな違いは、身体からのサインかもしれません。
先生がつくっている「5つのチェックポイント」
先生は、自分の生活の中に複数のチェックポイントを設けていると話されていました。
それが、
①朝の軽い運動
②朝食
③昼食
④夕食
⑤寝る前の振り返り
です。
先生は、これらを毎日の「チェックポイント」と表現されていました。
大切なのは、すべてを完璧にこなすことではありません。
同じタイミングで自分の身体を確認する機会をつくることです。
① 朝の軽い運動
先生は、朝に少し身体を動かす習慣をつくっていると話されていました。
本格的なトレーニングでなくても、
ストレッチなどでも構わないとのこと。
いつも行っている動きをしてみることで、
「今日は身体が軽い」
「今日は少し重い」
「昨日より動きにくい」
などの違いに気づきやすくなります。
つまり運動そのものだけでなく、
朝の自分の状態を知る時間
として活用しているのです。
②③④ 朝・昼・夜の食事
先生は、朝・昼・夜の食事もチェックポイントとして捉えています。
できるだけ同じような時間に食事をする。
そのタイミングで、
「今日は食欲があるか」
「いつも通り食べられるか」
「疲れていないか」
など、自分の状態を見ることができます。
食事を単に栄養補給の時間として考えるのではなく、
一日の中で何度か自分自身を確認するタイミングにする。
これが先生の考えるルーティンの面白いところです。
⑤ 寝る前に1〜2分だけ一日を振り返る
最後のチェックポイントが、寝る前です。
先生は、
「1分でも2分でもいいので、一日を振り返ってからベッドルームへ行く。」
と話されていました。
今日の身体はどうだったか。
疲れていないか。
いつもと違うことはなかったか。
何か気になっていることはないか。
ほんの短い時間でも、自分の状態を確認して一日を終える。
これもルーティンの一つです。
5回確認できれば、小さな変化に気づける
先生は、
朝の運動、
朝食、
昼食、
夕食、
寝る前。
この5つがあれば、
「一日の中に5回チェックポイントがある」
と説明されていました。
どこかでいつもと違えば、
「今日は少し調子が悪いかもしれない」
と早い段階で気づけます。
先生自身も、非常に忙しい生活を送りながら、
「体調の変化に気づくのが早いので、何かあったときのアプローチも早い。」
と話されていました。
体調を崩さない人になるというより、
体調の変化に早く気づける人になる。
ここが大切なのかもしれません。
ここからは一般的に言われていること
ここからは先生の発言ではなく、一般的な健康管理についてのお話です。
生活リズムをある程度一定にすることは、睡眠や食事、運動などの健康習慣を継続しやすくするうえでも役立ちます。
ただし、
「毎日絶対に同じ時間でなければいけない」
と考える必要はありません。
それ自体がストレスになってしまっては本末転倒です。
まずは、
朝起きたとき。
食事をするとき。
寝る前。
など、日常生活の中に「自分の状態を確認するタイミング」をつくることから始めてみるのも一つの方法です。
ルーティンは「変化に気づくための基準」
今回の先生のお話で最も印象的だったのは、
ルーティンは、毎日を同じにすることが目的ではない
ということです。
同じ道を歩くから、
新しい花に気づく。
水たまりに気づく。
いつもと違う景色に気づく。
身体も同じです。
基準となる「いつもの自分」があるからこそ、
「今日の私は少し違う」
と気づくことができます。
まとめ
ストレスを減らすためには、
何か特別なことを始めなければならないと思ってしまうかもしれません。
しかし今回、先生が教えてくださったのは、
「イレギュラーを減らして、ルーティンをつくる」
という非常にシンプルな考え方でした。
朝、少し身体を動かす。
食事のタイミングで自分の状態を見る。
寝る前に1〜2分、一日を振り返る。
それだけでも、一日の中に何度も自分自身を確認する時間をつくることができます。
大切なのは、
完璧な生活をすることではありません。
「いつもの自分」を知っておくこと。
そして、
「いつもと違う自分」に早く気づくこと。
忙しい毎日だからこそ、自分の身体の声を聞くための「チェックポイント」を生活の中につくってみてはいかがでしょうか。

