【医学コラム Vol.10】よもぎ蒸し「粘膜吸収42倍」は本当?

「粘膜吸収42倍」は本当?

※このシリーズは専門医から教わったことをコラムにしてます

目次

〜よもぎ蒸しの吸収について、医学的に正しく考えてみる〜

「よもぎ蒸しは粘膜から42倍吸収される。」

よもぎ蒸しについて調べていると、このような説明を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

サロンのホームページやSNS、広告などでも、「粘膜吸収42倍」という言葉が使われることがあります。

しかし、本当に医学的に「42倍」と言い切ることはできるのでしょうか。

今回、医師とのお話しの中でこのテーマについて詳しく伺いました。

先生の答えは、とてもシンプルでした。

「粘膜は皮膚より吸収されやすいのは事実ですが、『42倍』という数字は一概には言えません。」

この言葉には、とても大切な意味があります。

今回は、粘膜吸収について、お伺いした話をできるだけ分かりやすくまとめます。


粘膜は皮膚より吸収しやすいの?

まず結論からお伝えすると、

粘膜は皮膚よりも吸収しやすい組織です。

これは医学的にも広く知られています。

私たちの皮膚には、「角質層」という硬いバリアがあります。

この角質層は、

・細菌

・ウイルス

・有害物質

などが体内へ入りにくいように守ってくれている大切な壁です。

一方で、口の中や鼻、女性器などの粘膜には、この角質層がほとんどありません。

そのため、

皮膚よりも物質が体内へ入りやすい特徴があります。

先生も、

「粘膜には皮膚のような硬い角質層がないため、吸収効率は高いです。」

と説明されていました。

つまり、

『粘膜は吸収しやすい』

これは医学的にも理解されていることです。


では「42倍」はどこから来たの?

ここで気になるのが、

「42倍」という数字です。

実は、この数字には注意が必要です。

先生は対談の中で、

「倍数は正しくないというか、一概には言えません。」

と話されていました。

なぜなら、

吸収率は、

・どんな物質なのか

・どこの粘膜なのか

・分子の大きさ

・脂溶性か水溶性か

・濃度

・個人差

などによって大きく変わるからです。

つまり、

「すべての物質が42倍吸収される」

という意味ではありません。


同じ「粘膜」でも場所によって違う

先生がもう一つ強調されていたのが、

粘膜にも種類がある

ということです。

例えば、

・口の粘膜

・鼻の粘膜

・腸の粘膜

・女性器の粘膜

これらはすべて構造が異なります。

そのため、

同じ成分でも、

吸収されやすい場所と、

そうではない場所があります。

先生も、

「口の粘膜と女性器の粘膜でも吸収率は違います。」

と説明されていました。

つまり、

「粘膜だから全部同じ」

というわけではないのです。


物質によっても吸収率は変わる

例えば薬でも、

飲み薬が向いているものもあれば、

貼り薬、

点鼻薬、

吸入薬、

坐薬など、

投与方法はさまざまです。

これは、

薬の成分によって、

最も効果的な吸収経路が違うからです。

先生は、

「物によって吸収率は全然違います。」

と話されていました。

つまり、

「よもぎの成分だから42倍」

というように、

一つの数字で表現することは医学的には難しいということです。


よもぎ蒸しは「吸収」だけが目的ではない

ここで、とても重要なお話がありました。

先生は、

「そもそも、成分を大量に吸収することが、本当に身体にとって良いのかも分かりません。」

と話されていました。

確かに、

もし大量に吸収させることだけが目的なら、

飲んだ方が効率が良い物質もあります。

よもぎ蒸しの価値は、

「何倍吸収されるか」

だけではありません。

むしろ、

身体全体を温めることによって得られる作用の方が、大きな意味を持つと考えられます。


温めることで期待される身体の変化

先生は、

よもぎ蒸しを、

「温泉や湯治文化に近いもの」

と表現されていました。

身体を温めることで、

血管が拡張し、

血流が促されます。

すると、

酸素や栄養が身体の隅々まで届きやすくなります。

これは、

「水道ホース」の例えがとても分かりやすいでしょう。

細いホースでは、

水は少ししか流れません。

しかし、

ホースが広がると、

水はスムーズに流れます。

血流も同じです。

身体が温まることで、

血液が流れやすい環境が整うと考えられています。


よもぎ蒸しは「蒸気を浴びる温活」

よもぎ蒸しでは、

よもぎなどの植物を煮出した蒸気で身体を温めます。

植物には、

香り成分(揮発性成分)が含まれています。

先生は、

この点についても、

「どれくらい薬理作用があるかは今後さらに研究が必要ですが、香りを吸い込むことも一つの要素でしょう。」

と話されていました。

つまり、

現時点では、

「成分が大量に吸収される」

というより、

温熱と植物の香りを組み合わせた温活

として考える方が、医学的にも自然と言えるでしょう。


数字よりも大切なのは「体感」

私たちは、

数字があると安心します。

42倍。

○○%。

世界一。

しかし、

身体は数字だけでは説明できません。

実際によもぎ蒸しでは、

・身体が温まった

・汗をかきやすくなった

・リラックスできた

・ぐっすり眠れた

という体感を話される方が多くいます。

もちろん、

これらの感じ方には個人差があります。

だからこそ、

「42倍」という一つの数字より、

自分自身がどう感じるか

が大切なのではないでしょうか。


まとめ

「粘膜吸収42倍」

という言葉は、非常にインパクトがあります。

しかし、

現時点では、

すべての物質に当てはまる数字ではありません。

医学的に言えるのは、

・粘膜は皮膚より吸収しやすい

・ただし吸収率は物質や部位によって異なる

・「42倍」と一律には言えない

ということです。

そして、よもぎ蒸しの本当の魅力は、

「何倍吸収されるか」

ではなく、

身体をじんわり温め、

巡りを整え、

心身ともにリラックスできる時間をつくることにあります。

よもぐるみでは、予防医学の専門医からの学びを通じて、これからも誠実な情報発信を大切にしながら、温活を通じて皆さまの健やかな毎日をサポートしていきます。

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