海外サプリは「効きそう」だけで選ばない
※このシリーズは専門医から教わったことをコラムにしてます
〜日本人が知っておきたい、体格・摂取量と肝臓・腎臓への負担〜
「海外のサプリメントの方が成分量が多くて効きそう。」
「SNSでおすすめされていた海外サプリを飲んでいる。」
「健康のために、何種類ものサプリを毎日飲んでいる。」
健康や美容への意識が高まるなか、海外製のサプリメントを手軽に購入できるようになりました。
以前は海外旅行などでしか手に入らなかった商品も、今ではインターネットを使えば簡単に購入できます。
成分量が多い商品や、日本ではあまり見かけない成分を配合した商品を見ると、「海外のサプリの方が効きそう」と感じる方もいるかもしれません。
しかし今回の医学対談で先生が話されていたのは、
「海外で人気だから、自分にも合うとは限らない」
ということでした。
大切なのは「海外製か日本製か」だけではありません。
誰を基準につくられた商品なのか。そして、自分にはどのくらいの量が必要なのか。
サプリメントを習慣的に摂っている方にこそ知ってほしい、サプリメントとの付き合い方について考えていきます。
海外サプリ=悪い、という話ではありません
最初に大切なことがあります。
今回の記事は、
「海外サプリは危険」
「日本人は海外サプリを飲んではいけない」
という話ではありません。
先生が指摘されていたのは、
「海外の商品を、そのまま自分に当てはめて大丈夫なのか?」
という視点です。
先生自身、もともとアメリカンフットボールをされていたこともあり、プロテインやサプリメントについて非常に興味があり、これまで世界中のさまざまな商品を試してきたそうです。
プロテインについては「30社くらい飲んできた」と話されるほど、実際に自分の身体で試してきた経験があります。
ところが、さまざまなサプリメントを摂取するなかで、先生自身も身体への負担を感じた経験があったといいます。
そこで気づいたのが、
「海外で良いとされているものが、そのまま日本人にも合うとは限らない」
ということでした。
先生が経験した海外サプリとの違い
対談では、先生が過去に海外で人気だったサプリメントを日本へ展開した経験についても話されていました。
韓国市場で非常に人気のあった海外のサプリメントを仲間と日本へ持ってきたことがあったそうです。
ところが、その後、摂取していた人たちの血液検査を確認していくなかで、先生によると数値が悪くなっているケースが見られたとのことでした。
その経験から先生は、
「やっぱり日本人に合っているものは違うんだなと実感した」
と話されていました。
もちろん、この経験だけから「特定の海外サプリが日本人に悪い」と一般化することはできません。
しかし、先生がこの経験から重要だと考えるようになったのが、
体格や摂取量を考えること
でした。
海外の人と日本人では「体格」が違う
先生が非常に分かりやすく説明されていたのが、体格の違いです。
海外の人と日本人では、平均的な身体の大きさが異なる場合があります。
先生は、
「身体の大きさが違うのに、同じ量を飲んでいて本当に合うのか」
という趣旨のお話をされていました。
これはサプリメントを考えるうえで、とても大切な視点です。
例えば、体格の大きな人を想定して設計された商品を、身体の小さな人が同じ量で摂取した場合。
単純に考えても、身体に対する摂取量の比率は変わります。
そのため、
「海外の商品に1日○粒と書いてあるから」
という理由だけで判断するのではなく、
その量が自分自身にも適しているのか
という視点を持つことが大切です。
「たくさん入っている=良いサプリ」とは限らない
海外サプリを見ると、
「高配合」
「○○mg配合」
といった数字に目が行くことがあります。
成分量が多ければ、
「こっちの方が効きそう」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、サプリメントは、
量が多ければ多いほど身体に良い、というものではありません。
これは一般的な栄養学・医学としても大切なポイントです。
栄養素には、不足が問題になるものがある一方、過剰摂取によって健康上の問題につながる可能性があるものもあります。
また、普段の食事からどの程度摂取しているかによっても、必要な補充量は変わります。
「1粒にたくさん入っている」
ことと、
「自分にとって必要な量である」
ことは、別の話なのです。
サプリを何種類も飲むときに気をつけたいこと
もう一つ考えたいのが、複数のサプリメントを組み合わせている場合です。
例えば、
マルチビタミン。
鉄。
亜鉛。
ビタミンC。
ビタミンD。
美容系サプリ。
プロテイン。
それぞれを別々に購入していると、一つ一つの商品だけを見てしまいがちです。
しかし、複数の商品に同じ栄養素が配合されている場合、知らないうちに重複して摂取している可能性があります。
健康のために一つ追加し、また一つ追加する。
その結果、自分が一日に何をどのくらい摂っているのか分からなくなってしまうこともあります。
サプリメントを複数使用する場合は、一つの商品だけではなく、
「一日トータルで何を摂っているのか」
を見ることが重要です。
肝臓・腎臓への負担という視点
対談の中で、先生が特に注意されていたのが、
肝臓や腎臓への負担
についてでした。
先生は、海外サプリなどを自己判断で摂っている方の中には、肝臓や腎臓に負担がかかっているケースがあるという趣旨のお話をされていました。
そして、
「肝臓や腎臓の負担は、表に症状として出てくるのですか?」
という質問に対して、先生は、
「全く出ないこともあるから怖い」
と説明されていました。
ここは非常に重要なポイントです。
「体調が悪くないから大丈夫」とは限らない
ここからは先生の発言ではなく、一般的な医学情報としてのお話です。
肝臓や腎臓の異常は、初期には自覚症状が乏しいことがあります。
つまり、
「元気だから問題ない」
「何年も飲んでいるけれど何ともない」
だけでは、身体の状態を完全には判断できません。
また、サプリメントや健康食品であっても、種類や摂取量、医薬品との組み合わせ、個人の健康状態などによっては注意が必要です。
特に、持病がある方、医薬品を服用している方、妊娠・授乳中の方などは、自己判断で複数のサプリメントを追加せず、医師や薬剤師などに相談することが大切です。
サプリメントは「食事とは違う」
これまでの医学コラムでもご紹介したように、先生は基本的に、
「栄養は食事から摂る」
という考え方を大切にされています。
例えばDHA・EPAについても、サプリメントとして単一の成分を摂るより、青魚という食材から摂ることについて説明されていました。
食材には、私たちが注目している一つの栄養素だけが入っているわけではありません。
さまざまな栄養素や成分が含まれています。
また、
食べ物を見る。
噛む。
唾液が出る。
飲み込む。
胃腸へ送られる。
という一連の食事の流れについても、先生は重要だと話されていました。
そのため、サプリメントを、
「食事をしなくても栄養が摂れる便利なもの」
と考えるのではなく、
食事だけでは不足する部分を必要に応じて補うものとして考えることが大切です。
海外サプリを選ぶ前に確認したいこと
では、海外サプリを使う場合、どんなことを意識すればよいのでしょうか。
まず確認したいのは、
「なぜ自分はこのサプリを飲むのか?」
ということです。
SNSで人気だから。
海外で流行っているから。
口コミが良かったから。
成分量が多かったから。
という理由だけではなく、
自分には本当にその栄養素が不足しているのか。
食事では補えないのか。
どのくらいの量が必要なのか。
他のサプリと成分が重複していないか。
こうしたことを一度整理してみましょう。
「海外の推奨量」ではなく「自分に合う量」を考える
先生のお話から見えてくる大切なポイントは、
サプリメントも一人ひとりに合わせて考える必要がある
ということです。
同じ商品でも、
体格、
年齢、
性別、
食生活、
運動量、
健康状態、
他に使用しているサプリメントや医薬品などによって状況は変わります。
「海外ではこの量だから」
ではなく、
「自分の場合はどうなのか」
という視点を持つ。
サプリメントを健康のために長く続けるのであれば、なおさら大切な考え方です。
まとめ
海外のサプリメントだから危険。
日本製だから安心。
そのように単純に分けることはできません。
今回の医学対談で先生が伝えていたのは、
「海外で人気の商品や推奨量が、そのまま日本人、そして自分自身に合うとは限らない」
ということでした。
特に意識したいのは、
体格に対して量が適切か。
複数のサプリで成分が重複していないか。
食事で摂れるものまでサプリに頼っていないか。
そして、長期間なんとなく飲み続けていないか。
ということです。
健康のために飲んでいるものだからこそ、
「良さそうだから飲む」から「自分に必要だから選ぶ」へ。
一度、家にあるサプリメントを並べてみてください。
何のために飲んでいるのか。
一日にどのくらい摂っているのか。
同じ成分が重なっていないか。
自分の身体に合っているのか。
サプリメントを増やす前に、まず今飲んでいるものを知る。
それが、自分の身体に合った栄養の摂り方を考える第一歩になるのではないでしょうか。

