そのプロテイン、本当に必要?タンパク質の正しい補い方
※このシリーズは専門医から教わったことをコラムにしてます
〜「とりあえずプロテイン」の前に知っておきたい、食事と補助食品の考え方〜
「健康のためにプロテインを飲んでいる。」
「運動をしていなくても、プロテインは飲んだ方がいいと聞いた。」
「朝ごはん代わりにプロテインだけ飲んでいる。」
最近では、トレーニングをしている人だけでなく、健康や美容を意識する女性にもプロテインが身近な存在になりました。
コンビニやスーパーにもさまざまな商品が並び、「タンパク質を摂る=プロテインを飲む」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
では、本当にすべての人にプロテインが必要なのでしょうか。
今回の医学対談では、プロテインについて先生からとても興味深いお話を伺いました。
先生が一貫して話されていたのは、
「タンパク質を摂ることは大切。ただし、基本は食事から。」
という考え方です。
プロテインを良い・悪いで判断するのではなく、「自分には本当に必要なのか」「どんな場面で使うのか」を考えてみましょう。
そもそもプロテイン=タンパク質
まず知っておきたいのは、「プロテイン」という言葉の意味です。
Proteinは日本語で「タンパク質」。
つまり本来、プロテインとは特別な栄養素ではなく、私たちが普段の食事から摂っているタンパク質そのものを指します。
肉。
魚。
卵。
大豆製品。
乳製品。
こうした食品にもタンパク質は含まれています。
一般に「プロテイン」と呼ばれている商品は、タンパク質を効率的に補給できるよう加工された食品です。
そのため、
「タンパク質を摂ること」と「プロテイン商品を飲むこと」は同じ意味ではありません。
ここを分けて考えることが大切です。
タンパク質は意識して摂りたい栄養素
今回の対談で先生は、
「タンパク質を摂ることは、食事・栄養の中でも優先順位がかなり高い」
と話されていました。
一般的にも、タンパク質は筋肉だけの材料ではありません。
皮膚や髪など身体を構成するさまざまな組織に関わる重要な栄養素です。
そのため、
「筋トレをしていないからタンパク質は必要ない」
ということではありません。
大切なのは、
プロテインを飲んでいるかどうかではなく、日々の食事を含めて必要なタンパク質を摂れているか
ということです。
先生が話していた「昼30g」という考え方
先生は対談の中で、タンパク質の量について具体的なお話もされていました。
例として、
70kg程度の男性なら1日100g程度、
50kg程度の女性なら1日70g程度を目安として考えることがあると説明されていました。
そして先生が実際に伝えている分かりやすい方法の一つが、
「昼食でタンパク質30gを目指してみる」
という考え方です。
朝・昼・夜の3食を食べる前提で、昼食で30g程度を意識すると、一日の必要量を確保しやすくなるという説明でした。
ただし、必要なタンパク質量は年齢、体格、運動量、健康状態などによって異なります。
ここで紹介した数字をすべての人に当てはめるのではなく、先生が対談で示した一つの目安として捉えてください。
「何に何グラム入っているか」を知ってみる
先生がおすすめしていた方法が面白いものでした。
それは、
コンビニで商品の裏側を見て、タンパク質量を確認すること。
先生は、
「卵って6gくらいなんだ」
というように、普段食べている食品にどれくらいタンパク質が含まれているのかを確認し、それを足し算していくと分かりやすいと話されていました。
例えば、
卵。
魚。
鶏肉。
豆腐。
納豆。
ヨーグルト。
普段何気なく食べているものにもタンパク質は含まれています。
「タンパク質が足りないからプロテインを買おう」と考える前に、
自分が普段の食事からどれくらい摂っているのかを知る。
ここから始めることが大切なのです。
プロテイン選びが難しい理由
今回の対談で先生が特に詳しく話されていたのが、「プロテインを商品としてつくる難しさ」でした。
先生自身もプロテインの開発に関わっており、製品をつくるうえでは大きく3つの要素があると説明されていました。
それが、
①おいしいこと
②溶けやすいこと
③タンパク質をしっかり摂れること
です。
プロテインは毎日飲むことを考えれば、おいしくなければ続きません。
しかし、粉っぽくて溶けにくければ飲みにくい。
そして、おいしく溶けやすくても、肝心のタンパク質が十分に摂れなければ本来の目的から離れてしまいます。
先生は、
「この3つを同時に成立させるのが本当に難しい」
と話されていました。
「飲みやすさ」の裏側も見てみる
プロテインには、味や溶けやすさなどを調整する目的で、甘味料や香料などが使用されている商品もあります。
先生も対談の中で、
「おいしくしたり、溶けやすくしたりするために添加物を使っている商品も多い」
という趣旨のお話をされていました。
もちろん、添加物が入っているだけで、その商品を一律に「悪い」と判断することはできません。
ここで大切なのは、
「プロテインだから健康的」と無条件に考えないこと。
健康のために毎日飲むのであれば、一度パッケージを裏返して、
タンパク質は何g入っているのか。
どのような原材料が使われているのか。
自分は何のために飲んでいるのか。
を確認してみることが大切です。
それでも先生自身が市販のプロテインを飲むこともある
ここが今回の対談で非常に重要なポイントです。
先生はプロテインの原材料について気をつけながらも、
「本当にタンパク質が摂れない状況なら、コンビニのプロテイン商品を摂ることもあります。」
と話されていました。
なぜなら、
「今、タンパク質が不足している」
という状況と、
「商品に気になる原材料が入っている」
という状況を比較したときに、
タンパク質を補うことを優先した方がよいと判断する場面もある
からです。
これはとても現実的な考え方です。
毎日の食生活を100点にすることよりも、
そのときの状況に合わせて優先順位を考える。
プロテインも、そのための選択肢の一つなのです。
「食事かプロテインか」の二択ではない
先生のお話を聞いていると、
「プロテインは飲んではいけない」
という結論ではないことが分かります。
基本は食事。
でも、食事だけでは難しい場面ではプロテインを使う。
例えば、
忙しくて食事の時間が取れない。
外出先でタンパク質源を確保できない。
運動量が多く、食事だけでは補いにくい。
こうしたときには、プロテインが便利な選択肢になる場合があります。
つまり、
食事 VS プロテイン
ではありません。
食事を土台にして、必要に応じてプロテインで補う。
この順番がポイントです。
ここからは一般的に言われていること
ここからは先生の発言ではなく、一般的な栄養学としてのお話です。
必要なタンパク質量は、一人ひとり異なります。
年齢、体重、運動量、食事量、妊娠・授乳の有無、健康状態などによって必要量は変化します。
また、「タンパク質は多ければ多いほど良い」というものでもありません。
特定の疾患がある方などでは、タンパク質の摂取量について医師や管理栄養士などから個別の指導が必要になる場合があります。
サプリメントやプロテインを積極的に追加する前に、まず自分の食生活を確認することが重要です。
まずは1日の食事を書き出してみる
プロテインが必要か分からない方は、いきなり商品を買うのではなく、まず一日の食事を振り返ってみてください。
朝はパンとコーヒーだけ。
昼は麺類だけ。
夜に初めて肉や魚を食べる。
もしこのような食生活になっているなら、「プロテインを追加すること」だけではなく、朝食や昼食にタンパク質を含む食品を足すという方法もあります。
例えば、
卵を一品追加する。
魚や肉を主菜にする。
豆腐や納豆などの大豆製品を取り入れる。
乳製品を組み合わせる。
食事そのものを少し変えるだけで、タンパク質の摂取量を増やせる場合があります。
プロテインを選ぶ前の3つのチェック
プロテインを取り入れたいと思ったら、まず次の3つを考えてみましょう。
① 普段の食事でタンパク質は足りている?
まず食事を確認します。
② なぜプロテインを飲む?
不足分を補いたいのか、運動後に手軽に摂りたいのか、忙しい日の補助なのか。
目的を明確にします。
③ 中身を確認している?
タンパク質量だけでなく、原材料表示も確認して、自分が納得できる商品を選びます。
「みんなが飲んでいるから」ではなく、
自分に必要だから使う。
これが大切です。
まとめ
タンパク質は、私たちの身体にとって大切な栄養素です。
しかし、
「タンパク質が大切=全員プロテインを飲んだ方がいい」
という意味ではありません。
今回の医学対談で先生が話されていたのは、
「基本的には食事から摂る。そして、必要な場面ではプロテインを利用する」
という考え方でした。
まずは自分が普段の食事でどれくらいタンパク質を摂れているのかを知る。
不足しているのであれば、食事から増やせないか考える。
それでも難しいときには、プロテインを上手に活用する。
そして商品を選ぶときには、
「プロテインだから身体に良さそう」
というイメージだけではなく、タンパク質量や原材料も一度確認してみる。
プロテインは、食事の代わりにするものではなく、必要なときに食生活をサポートしてくれる選択肢の一つ。
自分の食生活と目的を知ったうえで、上手に付き合っていきましょう。

