【医学コラム Vol.23】低血圧と冷え・むくみは関係する?

低血圧と冷え・むくみは関係する?医師が語る血流と筋肉の重要性

〜血圧が低い女性に知ってほしい、身体を温める仕組みと巡りの関係〜


※このシリーズは予防医学の専門医から教わったことをコラムにしてます

目次

「昔から低血圧だから大丈夫」本当にそうでしょうか?

「昔から血圧が低いけれど、特に不調は感じない」

「手足が冷えやすい」

「夕方になると脚がパンパンにむくむ」

「運動しているのに、身体の巡りが悪い気がする」

このようなお悩みはありませんか?

特に40代・50代の女性は、冷えやむくみ、疲れやすさなど、さまざまな身体の変化を感じやすい年代です。

実は今回、医師の道下先生との対談で、私自身の低血圧について質問する機会がありました。

私は昔から血圧が低く、上が80台、下が40台になることもあります。

それでも朝は問題なく起きられ、日常生活で強い不調を感じることはほとんどありません。

そこで先生に「昔から低血圧で、特に不便を感じていない場合も、改善したほうがよいのでしょうか?」と質問しました。

先生からは、血圧と血液循環、筋肉量について、興味深いお話を伺いました。

今回は、その対談をもとに、低血圧と冷え・むくみの関係を詳しく解説します。


1. そもそも低血圧とは?

血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す圧力のことです。

一般的に、収縮期血圧が90mmHg未満、または拡張期血圧が60mmHg未満の場合は、低血圧の目安とされます。

血圧には、上の血圧と下の血圧があります。

上の血圧は、心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力です。

下の血圧は、心臓が拡張している間の動脈内の圧力を示しています。

ただし、血圧が低いからといって、必ず病気というわけではありません。

もともと血圧が低くても、症状がなく健康に生活している人もいます。

一方、立ちくらみ、めまい、失神、強い疲労感などがある場合には、原因を確認する必要があります。

低血圧は、数値だけでなく、症状や身体の状態と合わせて考えることが大切です。


2. 心臓は全身に血液を送る「ポンプ」

道下先生との対談で、特に分かりやすかったのが、心臓をポンプに例えた説明です。

先生は、心臓がポンプのように働き、血液を全身へ送り出していることを説明されました。

私たちの身体には、血管が張り巡らされています。

心臓から送り出された血液は、動脈を通って全身へ運ばれ、毛細血管で酸素や栄養などの受け渡しを行います。

そして、静脈を通って心臓へ戻ってきます。

この循環が、生命活動を支えています。

ただし、血圧の数値だけで、全身への血液の届き方を判断することはできません。

心臓の働きや血管の状態、自律神経による調節なども関係しているからです。


3. 低血圧と冷えには関係があるのでしょうか?

道下先生は対談の中で、血液が身体の温かさを全身へ運ぶ役割について説明されていました。

私たちの身体では、筋肉や内臓などの代謝活動によって熱がつくられています。

その熱を身体全体へ運ぶ働きの一つを担っているのが血液です。

例えば、寒いときには、身体は重要な臓器の温度を守るために、手足の血管を収縮させます。

すると、手先や足先への血流が減り、冷たく感じることがあります。

このように、冷えと血流には関係があります。

ただし、低血圧の人が必ず冷え性になるわけではありません。

冷えには、血管の収縮、筋肉量、貧血、甲状腺の働き、生活環境など、さまざまな要因が関係します。

そのため、冷えが強い場合には、単に血圧が低いからと決めつけないことが大切です。


4. 低血圧とむくみの関係とは?

今回の対談では、私自身がむくみやすいことについても相談しました。

先生は、血液が身体を巡り、心臓へ戻ってくる仕組みに注目して説明されていました。

では、むくみはどのように起こるのでしょうか?

むくみとは、皮膚の下などの組織に余分な水分がたまった状態です。

特に脚は、重力の影響を受けやすいため、長時間座ったり立ったりしているとむくみやすくなります。

脚から心臓へ血液を戻す際には、静脈の弁やふくらはぎの筋肉が重要な役割を担っています。

ふくらはぎの筋肉が収縮すると、静脈が圧迫され、血液が心臓の方向へ戻るのを助けます。

これが「筋ポンプ作用」です。

ただし、低血圧そのものが、必ずむくみを引き起こすわけではありません。

むくみには、長時間同じ姿勢でいること、静脈の働き、塩分摂取、薬の影響、心臓・腎臓・肝臓などの病気も関係します。

むくみが続く場合には、原因を確認することが重要です。


5. 道下先生が重視していた「筋肉量」

低血圧について相談した際、道下先生から質問されたのが、

「筋肉量はどれくらいありますか?」

ということでした。

私自身、週に3〜4回ほどトレーニングをしています。

そのことをお伝えすると、先生は運動の重要性を説明されたうえで、筋肉量や体脂肪率などを数値で確認することをすすめられました。

ここで印象的だったのは、

「運動していることと、筋肉がついていることは必ずしも同じではない」

という考え方です。

確かに、週に何回運動しているかだけでは、筋肉量が維持できているかどうかは分かりません。

筋肉は、身体を動かすだけでなく、熱を生み出したり、静脈の血液を心臓へ戻す働きを助けたりしています。

特に下半身の筋肉は、歩行や立ち上がりなどの日常動作にも欠かせません。

ただし、筋肉を増やせばすべての低血圧が改善するわけではありません。

低血圧の原因によって、必要な対処は異なります。


6. ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれる理由

ふくらはぎは、よく「第二の心臓」と呼ばれます。

その理由は、脚の血液を心臓へ戻す働きを助けているからです。

例えば、長時間座っているとき。

ふくらはぎの筋肉をあまり動かさない状態が続くと、脚の静脈に血液がたまりやすくなります。

一方、歩いたり、足首を動かしたりすると、筋肉の収縮によって血液が戻りやすくなります。

つまり、身体を動かすことは、筋力維持だけでなく、静脈の循環を助けることにもつながるのです。

道下先生が運動を重視されていた背景には、こうした筋肉と身体の循環の関係もあります。


7. 冷え・むくみが気になる女性におすすめの3つの習慣

① 毎日、下半身を動かす

ウォーキングや軽いスクワット、かかとの上げ下げなど、無理のない運動を取り入れましょう。

デスクワークが多い方は、長時間座りっぱなしにならないよう、こまめに立ち上がることも大切です。

② 筋肉量を意識する

筋肉量を維持するためには、適切な筋力トレーニングと栄養摂取が必要です。

道下先生との対談でも、体組成を確認することの重要性が話題になりました。

ただし、家庭用体組成計の数値には測定条件による誤差もあります。

一度の測定結果だけで判断せず、同じ条件で継続的に変化を見ることが大切です。

③ 水分と食生活を見直す

水分不足は、血圧の低下や立ちくらみにつながることがあります。

日頃から適切な水分補給を心がけましょう。

ただし、むくみがあるからといって自己判断で大量の水を飲んだり、低血圧だからと塩分を増やしたりすることはおすすめできません。

特に腎臓や心臓の病気がある方は、医師の指示に従う必要があります。



よくある質問

Q. 低血圧の人は必ず冷え性になりますか?

いいえ。低血圧と冷えは同じものではありません。冷えには血管の収縮、筋肉量、貧血など、さまざまな要因が関係します。

Q. 低血圧だとむくみやすくなりますか?

低血圧だけでむくみが起こるとは限りません。脚の静脈循環や長時間同じ姿勢でいることなどが関係します。むくみが続く場合は原因を調べることが大切です。

Q. 筋トレで低血圧は改善しますか?

運動は筋力維持や健康づくりに役立ちますが、すべての低血圧を改善できるわけではありません。症状がある場合は、原因に応じた対処が必要です。


まとめ|血圧の数字だけでなく、身体全体を見ることが大切

今回の道下先生との対談で印象的だったのは、

「血液を送る心臓の働き」と「筋肉量の重要性」

でした。

血液は酸素や栄養、熱を身体の各組織へ運んでいます。

また、筋肉は身体を動かすだけでなく、熱の産生や静脈の循環を助ける役割も担っています。

冷えやむくみを考える際には、血圧だけでなく、筋肉量、運動習慣、食生活、そして身体の状態を総合的に見ることが大切です。

昔から低血圧だから。

冷え性は体質だから。

むくみやすいのは仕方ないから。

そう決めつけるのではなく、まずは自分の身体を知ること。

よもぐるみでは、これからも医学的な知識と現場での経験を大切にしながら、女性の健康づくりに役立つ情報をお届けしていきます。

身体を温めることだけでなく、身体を動かし、健やかな毎日を支える習慣を育てていきましょう。


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